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野球選手のトレーニングの考え方

野球選手のトレーニングは選手の体の成長度合いを考慮して考えていくことが必要です。

一般的な暦年齢すなわち小学生、中学生、高校生、大学・社会人という分け方で大きくきって
後は個別性を考えて生物学的年齢と競技状況・目的を踏まえてプログラムを作ります。

特に難しいのが小学生~中学生年代です。
この時期は選手によって成長度合いに差が大きいためより個別性をみてプログラムする必要があります。

個別性に関しては身長の発育最大速度からみたPHVを生物学的年齢の指標にすることが多いでしょう。
その前後や成人身長予測からトレーニング内容を変えていくこともあります。

どの指標を使えばいいのかというデータはありませんがこの2つを考慮することが重要だと認識しています。

そのうえでざっくりきった暦年齢において各カテゴリで重要な考え方をみていきましょう。

「小学生世代」

この時期は非常に怪我が多いので怪我予防と正しい動きの習得が中心になります。

怪我の原因の多くは柔軟性の欠如、動作不良になります。
体が硬く正常な動作ができないと関節に負担がかかり成長期特有の怪我につながりやすくなってしまいます。
特に肩の上腕骨骨端線離開(リトルリーガーズショルダー)、肘の離断性骨軟骨炎(OCD)、膝のオスグッドシュラッター病、腰の腰椎分離症、足の有痛性外脛骨、踵のシーバー病などは比較的多くみられます。

ですのでこの時期は柔軟性トレーニングと正しい動作トレーニングを行います。
子供たちは小さい大人ではありません。
そもそも正しい動きはまだできない状態にある子も結構いますので注意が必要です。

「中学生世代」

この時期は怪我予防と正しい動きの習得はもちろんですが筋持久力などの体力要素がすごく向上する時期なので
自重トレーニングを中心に低負荷高回数のトレーニングが中心になってきます。

また、この時期は小学生に近い体の選手や高校生に近い体の選手など個別性がかなり強く出てくるので
一律よりも個別のトレーニングをおすすめします。

怪我に関しては徐々に筋力がついてくるので肉離れなどの筋損傷系の怪我も少しずつ出てきます。
腰椎分離症の割合も多い印象です。

予防としては引き続き柔軟性の向上と正しい動作の獲得がメインです。
チームレベルでは練習後のストレッチなどのケアも多く取り入れたほうがいいでしょう。

「高校生世代」

この時期は筋力が大きく向上する時期なのでそれに合わせて少しずつ筋力トレーニングをいれていきます。
筋力トレーニングをする前段階として基礎筋力と体幹筋力のトレーニングも並行してやっていきます。

パフォーマンスで発揮する力が大きくなる影響で肩の腱板炎や肘は内側側副靭帯損傷、腰は変わらず腰椎分離症が多いです。

大きな筋力を発揮するトレーニングも大切ですが関節を安定させるようなスタビリティのトレーニングも取り入れるといいでしょう。

「大学・社会人世代」

この時期はパフォーマンス・体が成熟してくる時期であり普通にトレーニングしているだけでは
なかなかパフォーマンスにつながってこないのでパワー向上やSAQ、プライオメトリクス中心にトレーニングしていきます。

また、動作解析や球質の測定などのより細かいパフォーマンス分析が必要になってきます。

怪我はインターナルインピンジメントからくる関節唇損傷や骨棘障害などが多くなってきます。
この時期に新しく怪我するというよりは昔の怪我が治っていなくて症状が出てしまう選手が非常に多いです。
小さい頃からの怪我は各カテゴリのうちにしっかりと治しきることが大切です。

草野球をやっている方もこのカテゴリに入ってきますがトレーニングはパフォーマンスレベルが非常に多彩なので
個別に一人一人しっかりしていく必要があります。
草野球の場合、怪我の原因はアップ不足が非常に多いです。
学生の頃はきちんとアップをしていたのに草野球になるとアップなしですぐ動いてしまうので
準備ができてない状態で投球すると怪我の原因になってしまいます。
トレーニングの問題ではないですが気を付けたほうがいいです。

ざっくりと考え方を書きましたが少しでも参考になると幸いです。